H25.6.12


いよいよ蒸し暑くなってきた
脱衣場で
風呂上りのおじいさんの
両足を丹念に拭き
扇風機で乾かしていたとき
本当は下着くらいはいて欲しいのだが
陰嚢を両手で持ち
裏返すように風に当て
悦に入っている様子をみると
何も言えず
両足の水虫の乾き具合を
おじいさんの目の前で
しゃがんで眺めていたが
顔を上げると
なにか幾何学的な模様をした
陰嚢が目に入り
ぼくは
他人の陰嚢を見つめる為に
今まで生きてきたのかと
なにか形而上的な考えが
浮かんでは消え
おじいさんは
いよいよ立ち上がり
扇風機の前に仁王立ちし始める
揺れる陰嚢
遠くで聞こえるのは
和室の風鈴